父を亡くし心を閉ざしてしまった少年ネイサンは、飛び抜けた数学の才能を持っていた。母親は、数学教師に個人指導を依頼し、ネイサンは国際数学オリンピックのイギリス代表チームの一員に選ばれるまでになる。(c)Origin Pictures (X&Y Prod) Limited/The British Film Institute / British Broadcasting Corporation 2014(後略)
出典元:Amazonプライム・ビデオ「僕と世界の方程式」から引用
監督 モーガン・マシューズ
主演 エイサ・バターフィールド
【感想・レビュー】
自閉症で人とのコミュニケーションがうまくとれない。でも、数学だけは得意。その能力をいかして数学オリンピックを目指す少年の物語。
障害がある天才少年が、その才能を開花させて成功する!みたいな、よくある映画かな…と思いながら見はじめた。が、全然違った!!
こういう主人公だと、たいがいはその天才的な能力ですごい結果を出して、最終的に人に認められたり、バカにしてたまわりのみんなを見返したり、というような展開のものが多いように思う。
そういうサクセスストーリーも普通におもしろいけれど、常にどこか違和感はあった。
この作品は、その違和感の部分をちゃんと描いているし、それがテーマになっている。
ライバルの子が、悩み苦しんだ末、
「親に、お前は特別だ。普通なんて退屈なだけ。変わり者でも特別な才能があると言われて育った。でも、才能がなければ?ただの変人だ」
と語るシーンで号泣。
普通になれない人間は、その存在価値に条件をつけられがちだ。
でも、人間の価値は、他の人よりもすごい才能があるだとか、他の人よりも高い生産性だとかで決まるんじゃない。
主人公のラストの選択は正しいと、私は思う。