関係者のインタビュー、膨大なデザイン画や絵コンテなどの資料で綴る、驚愕、爆笑、感涙のドキュメンタリー。
出典元:Amazonプライム・ビデオ「ホドロフスキーのDUNE」から引用
監督 フランク・パヴィッチ
主演 アレハンドロ・ホドロフスキー, ミシェル・セドゥー, ギーガー
【感想・レビュー】
「エル・トポ」や「ホーリー・マウンテン」など、カルト映画の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー監督が取り組んだ幻の映画、「デューン」。そのプロジェクトの全貌と顛末を追うドキュメンタリー。
この企画がなかったら、メビウス、ダン・オバノン、H・R・ギーガーなど、天才アーティストたちがその後大活躍することもなかったのかも。このプロジェクトがSF映画界に与えた影響ははかりしれない。
そして、出来上がるはずだったデューンの内容がすばらしすぎて、これが実際に作られなかったことが悔しくて仕方がない。
でもそれ以上に、これだけ人生を捧げた企画が絶賛されながらも、ある意味自分のせいで資金難に陥り、ダメになるとわかったとき、ホドロフスキーはどのような気持ちになって、それをどう乗り越えたかという部分に感動する。
落ち込んで、もうダメだと思ったとき、前向きになりたいなら、チープな自己啓発本を読むよりも、この映画を1本見た方がいいと思う。
「人生では何か近づいて来たら、イエス。離れていっても、イエス。デューンの中止もイエス!よし、やめよう!それがなんだ!だからどうした!」
人生をかけたプロジェクトが頓挫したホドロフスキーにこう言われると、不思議と元気が出て、やる気がわいてくる。
それにしても、たいそう落ち込んだホドロフスキーが、泣きながらデビット・リンチのデューンを映画館へ見にいったときの話が素直すぎて、笑う。