【第69回カンヌ映画祭「ある視点」監督賞受賞。第89回アカデミー賞主演男優賞ノミネート。】ベン・キャッシュと6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くで暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”をかなえるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキーは知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか・・・?
出典元:Amazonプライム・ビデオ「はじまりへの旅(字幕版)」から引用
監督 マット・ロス
主演 ヴィゴ・モーテンセン, フランク・ランジェラ, ジョージ・マッケイ
消費社会を離れ、大自然とともに森で暮らすインテリヒッピー家族。
お父さんの独特な教育方針のもと、こどもたちは絵本ではなく、ジャレド・ダイアモンドの銃・病原菌・鉄などを読み、ノーム・チョムスキーを尊敬し、森で瞑想する。
こんな偏った育て方なので、もちろんそれに疑問を持つ子もいる。そして、その子の意見も家族みんなでちゃんと聞こうとする。
まっとうなんだか、クレイジーなんだか、なんとも不思議。いろんな矛盾をかかえたファミリー。
しかし、もともと精神が不安定だったお母さんは自殺。
「森に行けば
ママがなおるとおもってた」
ここまで極端ではないにしろ、都会の生活に疲れて、自然豊かな田舎に引きこもる生活にあこがれる人は少なくないだろう。
でも、たんに田舎へいったからって、そこでめいっぱい努力したからって、幸せになるとは限らない。
間違いをみとめ、そこからまた考えて、バランスをとって、自分にあったスタイルをみつけて行くしかない。
なんだかんだで出てくる人が、みんないい人。
思想をおしつけてくる方向へいってしまうかと思いきや、奇妙だけどなかなかいい映画だった。